子どもが私をぶつようになってしまいました
「ちょっとしたことで子どもが私をぶつようになってしまいました」
こんな悩みを抱えているママは少なくありません。
どうしてこんな乱暴なことをするのかしら。どんなに叱ったり、言い聞かせてもやめてくれない。
かといって、このままにしておくのは心配…。
ママの悩みはつきません。
子どもが親をぶつようになってしまったとき、どのような言葉をかけたらいいのでしょうか?
子どもがぶつときの感情
子どもがママをぶってしまうとき、子どもの心の中ではこんなネガティブな感情がわいています。
●怒り
●不安
●心配
●辛い
●悲しい
●イライラ
子どもは、これらの感情を「ぶつ」という行為で外に吐き出しているのです。
子どもが小さいとまだ話せる言葉も少なく、思うように気持ちを伝えられないときがあります。
また、気に入らないことがあってストレスを発散するためにぶってしまうこともあるでしょう。
甘えたいのに甘えられないときも、その気持ちをわかってほしくてぶつことがあります。
子どもがぶってきたときの声かけと対応
では、子どもがぶってきたときには、どのようにしたらいいでしょうか。
(1)子どもの気持ちをくみ取ってそれを言葉にする
先ほど述べたように、子どもは何らかのネガティブな感情を抱いたときに「ぶつ」という行動をとります。
このような場面で一番効果的なのは、「このときの子どもの気持ちをくみ取って言葉にする」こと。つまり、子どもに共感することです。
怒っているようなら「○○だから怒っているんだね」、イライラしているようなら「△△でイライラしちゃったんだね」と伝えます。
子どもは自分の気持ちとぴったりな言葉を言ってもらえると、「わかってもらえた」と安心して気持ちが落ち着くのです。
(2)ぶたれた側の気持ちや影響を伝える
ぶつことをくり返すようなら、ぶたれた側の気持ちをしっかりと伝える必要があります。
ぶたれたら「痛い」「悲しい」「辛い」というママの気持ちを真剣に伝えましょう。
たとえば、「ぶたれるととっても痛いの。ママは○○ちゃんにそんなことされるとすごく悲しい。ぶたれた人の気持ちを考えてもらいたいな」などと正直な気持ちを伝えます。
こうすることで、ぶつことの影響や相手を思いやることの大切さを教えることができます。
ここで、「きびしく叱らずに共感するだけでは甘やかしになるのでは?」と心配するママもいるでしょう。
「共感」とは、相手の気持ちをくみ取り、「あなたはこのように感じているのですね」と「確認」することです。
子どもの言動を容認したり、賛成したりしているわけではありません。
ママが子どもに教えたいことがある場合は、共感して子どもの気持ちが落ち着いた後に伝えるのが効果的です。
たとえば、次の(3)のように、ママが大切と思うルールやマナーを教えていきます。
(3)言葉で言うことを教える
「イヤなことがあるとぶつ」という手段ではなく、言葉で伝える方法があることを教えます。
小さい子どもには、「ぶつんじゃなくて、お口で言ってね」と毎回根気よく伝えるようにします。
言葉で言えたときは「お口で言えたね。ありがとう」とほめてあげましょう。
大人は、ついできないことに対して指摘しがちです。
できたときこそ、声をかけてあげるのがポイントです。
(4)子どもにたっぷりと愛情を注いであげる
「ぶつ」という行動は、何か満たされない欲求があるときに表れるものです。
愛情を注ぐと言っても、無理に特別なことをする必要はありません。
「よく話しかけてあげる」「目が合ったら微笑みかける」「スキンシップをとる」というだけでも効果はあります。
自分が無理なくできそうなことからやってみてくださいね。
以上のような方法を使えば、きびしく叱らなくても「ぶってはいけない」ということを教えていくことができるでしょう。
これが、「叱る」に代わる「しつけ」となっていくのです。