「食育」ってなに?
子どもの健やかな成長と健康のために、「好き嫌いなく何でも食べることが大切」と思うママは多いのではないでしょうか。
確かに、子どもの好き嫌いは、できるだけないほうがいいと思いますよね。
近年、ファーストフードやジャンクフードが巷にあふれ、食生活の乱れから「食育」の重要性が注目されるようになりました。
「食育」とは、「食事や食物に関する知識と選択力を身につけ、健全な食生活が送れるようにするための教育」のことを言います。
最近では、子どもたちが自分の好きなものばかりを食べ、野菜離れやバランスの悪い食事が心配されています。
今回は、子どもの好き嫌いをなくすには、何歳から食育が必要なのかについてお話します。
食育はいくつから必要なの?
「子どもの味覚は小さいころに決まる」と言われることがあります。
これは、味を感じ取る「味蕾(みらい)」の発達が関係しています。
味蕾とは、舌の表面にあるブツブツとした器官のことで、5つの味(甘み・苦み・酸味・旨み・塩味)を判断します。
この情報が味覚神経を介して脳に伝達されることで、甘みや苦みなどの味覚が感知されます。
味蕾細胞の数は、生まれたばかりの赤ちゃんで約1万個。
生後3か月まで増え続け、やがてピークを迎えます。
この数は、成人ではおよそ7,000個、高齢者では3,000個に減ってしまいます。
このことから、赤ちゃんの舌は味にとても敏感であることがわかります。
ですから、「食育」は味覚が形成される赤ちゃんの頃から必要と考えることができます。
つまり、離乳食を始めるときから意識しておくことが大切です。
子どもの好き嫌いをなくすには
子どもの嫌いな食べ物といえば、野菜ですよね。
特に、なす、ピーマン、しいたけ、水菜、オクラ(*)などは苦手なようです。
嫌いな理由の第1位は「味」、第2位は「食感」(*)で、味は好き嫌いを左右する重要な要素と言えます。
(*カゴメ「子どもの野菜の好き嫌いに関する調査報告」出典)
この好き嫌いをなくすには、次のように、ママのちょっとした工夫が必要です。
●調理法を工夫する
「小さく刻む」「すりおろす」など、子どもが食べやすい大きさにします。
ハンバーグや餃子のタネに混ぜたり、スープの中に入れたりして、苦手な食材をわかりにくくするのも1つの方法です。
●食べたらほめてあげる
一口でも苦手なものを食べてくれたら、「やったね」「がんばったね!」とほめてあげましょう。
子どもは、「次もがんばって食べてみようかな」という気持ちになり、やる気がアップします。
●子どもが好きな味つけにする
子どもは苦い味やクセのある香味が苦手。
子どもが好きな「カレー味」「ケチャップ味」「マヨネーズ味」「チーズ味」などで味つけをしてみましょう。
これなら苦手な食材も進んで食べてくれそうですね。
●一緒に作ってみる
子どもは、自分で作った料理は不思議と食べてくれることが多いようです。
幼くてまだ火や包丁が使えなくても、野菜を洗ったり、手でちぎったりすることはできます。
子どもができそうなことをお願いしてみましょう。
一緒に作ったものを「おいしいね」と言いながら食べるのは楽しいものです。
どんなに工夫しても好き嫌いがすべてなくなるわけではありませんが、子どもが赤ちゃんのころから食育を意識することで、苦手な食べ物を減らすことはできるのではないでしょうか。
好き嫌いは、無理をせずになくしていくことを心がけましょう。