子どもに食べ物の好き嫌いがあると、栄養が偏ってしまうのではないかと心配ですよね。
特に、野菜嫌いに手を焼いたことはありませんか?
厚生労働省の調査によると、保護者の約3割が子どもの偏食に悩んでいるのだそうです。
実にたくさんのママが悩んでいる問題なのですね。
子どもが料理を食べてくれないと、なんとかして食べさせようと口元に持っていったり、栄養のことを語って説得してみたり。
あの手この手を使っても食べてくれないと、なぜかイライラしてしまいます。
でも、無理強いすると、余計にその食べ物がキライになってしまうことも。
なにより、無理やり食べさせられても、おいしく感じることはできません。
これでは、子どもを「イヤだなぁ」という気持ちにさせてしまうだけです。
そもそも子どもはなぜ好き嫌いが多いのでしょうか?
子どもの好き嫌いが多いワケ
(1)子どもは味覚に敏感
「酸っぱい」味や「にがい」味のする食べ物は、苦手な子どもが多いようです。
大人なら気にならないようなほうれん草やピーマンも、子どもにとってはイヤな味のする食べ物なのです。
これは、子どもの方が、舌にある食べ物の味を感じ取る器官「味蕾(みらい)」を多く持っていることに関係しています。
このように子どもの舌は味に敏感なため、大人よりも「酸っぱい」味や「にがい」味を感じやすく、「この食べ物はキライ!」と好き嫌いが出やすいのです。
嫌いな食べ物を食べてほしくて、小さく刻んで他の食べ物と混ぜて食べさせたことはありませんか?
このような工夫をしても、味覚に敏感な子どもはそれに気づいてしまうため、食べてくれないのです。
また、一度イヤと感じた食べ物は、それ以降受け付けなくなることもあります。
(2)見た目や臭い、食感がキライ
味もさることながら、その食べ物の形、大きさ、量に子どもが戸惑いを感じることもあります。
特に、お箸やフォークで上手に食べられない大きさの食べ物は、避けてしまいがち。
また盛り付ける量が多すぎると、うんざりしてしまうことも。
このように「見た目で判断する」こともあるため、食べ物の見た目はとても大切です。
また、その食べ物の臭いや食感がキライなこともあります。
本当に苦手な場合は、無理強いするとイヤな思いが残り、トラウマになってしまう可能性もあります。
(3)初めて出された食べ物には抵抗感がある
初めて見る食べ物は、「どんな味だろう」「おいしくなかったらイヤだな」という不安感があるため、敬遠してしまうことがあります。
「食べず嫌い」とは、このような気持ちの表れなのです。
好き嫌いの克服法
無理はさせない方がいいと言っても、子どもの好き嫌いが多いとやっぱり心配ですよね。
では、子どもの好き嫌いを克服するにはどうしたらいいでしょうか?
(1)食べやすい状態にする
まず大事なのは、子どもでも食べやすいような大きさと形にすることです。
また、魚は骨を取るようにし、お肉はスジが残らないようにします。
子どもにとって食べるのが難しい食べ物は、食べやすくしておいてあげましょう。
(2)盛り付けに工夫する
食べ物は「見た目も大事」です。
盛り付け方を工夫するだけで、食べたいという気持ちがわいてくることがあります。
食べ物をかわいらしく並べてみたり、ハート形や星形に切って出してあげたりすると、気分もアップするでしょう。
(3)一緒に楽しく食事をする
あまり好き嫌いを責めすぎると、その食べ物だけでなく、食事自体がキライになってしまいます。
ママが「このピーマンおいしいなぁ~。こんなにおいしいものを食べられないなんて残念だなぁ」とおいしそうに食べる姿を見せて、興味を引いてみましょう。
その食べ物を食べられないからといって、さほど栄養面を気にする必要はありません。
栄養は他の食べ物で取れば大丈夫です。
むしろ、食べさせるためにバトルしている方が、お互いに疲れてしまいます。
また、食べ物の嗜好は、成長すると変わってきます。
どんなにがんばっても食べられないのなら、成長して食べられるようになるまで、見守ることも大切です。
子どもが小さいころは、一緒に食事を楽しむことを心がけていきましょう。